背景2


 

真空装置の視点でどのような製品が作られているかみてみましょう。
○○○装置をクリックすると真空検索システムの各装置サイトが開きます。

ここでは今まで【真空技術の視点から、私達の目に触れる製品】、【身の回りの製品の視点から、こんな製品が真空を使っている】など幾つかの視点で真空技術と各種製品や技術を見てみました。今度は真空装置の面からその装置はどのような構造でどのようにして製品を作っているのか見てみました。少し難しいですが読んで見て下さい。ここでは今まで【真空技術の視点から、私達の目に触れる製品】、【身の回りの製品の視点から、こんな製品が真空を使っている】など幾つかの視点で真空技術と各種製品や技術を見てみました。今度は真空装置の面からその装置はどのような構造でどのようにして製品を作っているのか見てみました。少し難しいですが読んで見て下さい。

スパッタリング装置

スパッタリング装置

真空容器内を真空にし、陰極と陽極の電極を置いて、陰極に膜の原料となるターゲット金属を貼り付けておき、陽極に膜を付けたいガラス板などの基板を置きます。真空容器内に不活性ガスのアルゴンを入れて排気しながら一定の減圧状態に保ちます。その後両電極間に高電圧をかけると、両極間に放電が発生します。陰極に置いた金属にアルゴンがイオン化して衝突し金属原子を叩き出し、陽極に置いた基板に陰極から叩き出されたターゲット金属が付着して薄い膜になります。この膜を半導体や液晶の電極膜、ミラーの反射膜などに使うのです。ターゲット材料は金属以外にも絶縁物や有機材料なども使用することができます。スパッタリングで分かりやすいのがCDやDVD、CD-Rなどの光ディスクの反射膜です。

真空蒸着装置
真空蒸着装置
真空容器内を真空にし、タングステンなどで作った加熱ヒータの中にアルミニュウムなどの金属を入れておき、高真空になった後にヒータに通電し、1000度又はそれ以上に加熱します。加熱されたアルミニュウムは大気と反応することなく蒸発します。蒸発したアルミニュウムは周囲に配置されたガラスなどの基板や容器壁に付着し薄い膜となります。ガラスのほかにもプラスチックのフィルムにつけたり、レンズにつけたりして使います。蒸発させる材料は金属以外に粉末状態にした酸化物などを膜にすることが出来ます。蒸着で最も一般的な製品はカメラレンズやメガネのレンズの反射防止膜のコーティングです。このほかに自動車のヘッドライトの反射器やバックミラーなどの膜も身近に見られます。
ドライエッチング装置
陰極と陽極の電極を設けた容器内を真空にして、陰極に膜の付いた基板を置き、容器内に基板の膜を削り取るための活性ガスを入れて一定の圧力に保ちます。両極間に高周波の電圧を掛けて放電を発生させます。陰極に置いた基板をイオン化した活性ガスが加速されて衝突し、基板の膜に、削る部分を露出し保護する部分をカバーしたレジストと呼ばれる膜で覆っておくと、膜が露出した部分だけを蝕刻(エッチング)することが出来ます。この加工は、膜の削りたいところを削り取って電極や配線を作るときに使うもので、半導体素子や液晶表示素子やMEMSなどの電子部品などを作るときに使います。エッチングを理解しやすい製品は、透明なガラス板に数字だけが黒く見える液晶置き時計を最近良く見かけますが、この数字の形はエッチングによって作られたものです。ただし、これを作ったエッチング手法は真空技術を使ったドライエッチングではなく、大気圧下の溶液中に晒された部分だけが溶けて削るウエットエッチング手法です。しかしエッチングを知るには良い製品です。
プラズマCVD装置
プラズマCVD装置
真空容器内を真空にし、陰極と陽極の電極を置いて、陰極から反応ガスを導入し陽極側に基板を取り付け、陰極に高周波又はマイクロ波等の電圧をかけて放電を発生させます。太陽電池などの製造のためには反応ガスはシリコンを含む水素化物ガスやハロゲン化物のガスです。放電プラズマはこれらのガスを分解させて基板表面に反応生成物としてシリコンを堆積させます。この膜が非晶質のシリコン薄膜となり太陽電池の発電素子になります。プラズマCVDは何の膜をつけるかによってガスや基板ホルダー部や装置の構造が異なりますが、装置は概ねこのような構造をしています。太陽電池だけでなくその用途は半導体素子、液晶表示素子などの製造にとてもたくさんの装置が使われています。
プラズマ重合装置
真空下で容器内に一対の電極を配置し、真空容器側壁からガス状のモノマーを導入し電極間に商用周波や高周波の高電圧を加えて放電を発生させます。この放電により真空用器内のプラズマ密度の高い部分に置かれた基板表面に、モノマーガスが重合されてポリマーを堆積させることが出来ます。装置はガラス管状の容器で外部からコイル状の高周波電極を巻きつけて、放電させて重合させるものや種々の方法があります。これらの方法で作られるポリマーは多くの場合有機薄膜を形成するのに用います。これらの薄膜は条件を変えることにより親水性の膜だったり、撥水性の膜だったりできるため多くの用途に使われています。最近ではソフトコンタクトレンズの表面に親水性の膜をプラズマ重合させ、撥水性のレンズ素材の濡れ性を改善したものが市場で評判になっています。
液晶注入装置
液晶表示パネルは液晶表示のための画素を形成したガラス2枚を貼り合わせ、周辺部に液晶を注入する部分を1箇所残して外周接着した後、液晶注入装置内に入れ、2枚のガラスの間の空気を排気して除去します。次に液晶注入部を液晶の入ったトレーに接触させ、外部全体を大気圧に戻し、ガラス内部の真空と注入口に接した大気圧の圧力差により液晶液をガラスの隙間に充填しています。この方法は大変時間がかかるため最近では滴下法という製法が開発されています。しかし小型の液晶パネルはまだこの液晶注入装置を用いています。滴下法は液晶表示素子が形成されたガラス板を真空容器の中に置き、周囲にシール材を塗布してから液晶を必要量パネルに滴下し真空中で位置合わせをしながらもう一枚の液晶パネルを貼り付けます。テレビ用の大型基板の場合は殆どがこの方法によって製造されています。
真空排気装置
電球や、蛍光灯などは内部を真空にしてからガスを充填して封じ切って作ります。排気装置はそれぞれの目的に合わせた真空排気装置が作られます。カミオカンデの光電子増倍管も同じです。宇宙空間と同じ環境を作り出す大きな真空容器のスペースチェンバーなども、その中で種々の実験やテストを行うもので、これも真空排気装置が付いています。また核融合装置などは内部を不純物ガスの無い超高真空状態にまで排気し、核融合に必要な重水素やトリチュウムを入れ、核融合反応で発生する熱エネルギーを取り出す機能を設けた巨大な真空排気装置です。これらの排気装置はその目的に合わせてポンプの種類や大きさを選定しその他の機器や計測器などを併せて作られています。
真空貼り合わせ装置
DVDは0.6mmの2枚の板を張り合わせて作られています。この2枚の板を気泡の無い状態で接着するには、気泡の元となるガスが存在しない真空中で貼り合わせることが有効です。このためDVDの製造ではUV硬化塗料を接着剤として塗布し、ディスクを真空中に入れて接着しています。
真空包装器
肉や魚やレトルト食品など多くの食品が真空パックされて店頭に並んでいます。店の中を見ると電気洗濯機ほどの大きさの真空包装機が置いてあり一つ1分もかからない速さで真空パックをしているところを見ることが出来ます。40センチ四方で高さが10センチほどの真空容器の上半分が蝶番で開閉できるようになっていて、内部には発熱体の枕が上下に一対、容器の端に設置してあります。ポリ袋にパックする肉などを入れて、開口部を枕の上に乗せ、蓋を閉めてスイッチを押します。容器内部はポリ袋の中も真空に排気されて、十数秒の後には発熱体の枕が下りて発熱して開口部を熱圧着します。封止後に大気に戻されて蓋が開きます。ポリ袋に入れた肉の周囲には気泡が殆どありません。このように真空包装器は誰にでも使える真空装置になっています。

このようにいろいろな角度から真空機器や真空装置と身の回りの製品を見てきましたが、意外と多くの製品や技術に真空が使われていることが分かったと思います。ここに紹介したのはほんの一部ですがまだまだ工業製品の中には真空技術を用いた製品や部品が多数あります。真空技術なくしては私たちの日常生活は成り立たなくなっています。

○真空冶金装置
真空溶解・鋳造装置
真空熱処理装置(焼結/焼入/ホットプレス)
真空接合装置(拡散/電子ビーム/ロー付)
真空改質装置(イオン浸炭/窒化)
単結晶化・高純度化装置
その他の真空冶金装置

○真空化学装置
真空乾燥・凍結乾燥装置
真空蒸留・濃縮装置
真空冷却・貯蔵装置
真空含侵装置
真空脱気・脱泡・脱臭装置
真空重合・縮合装置
その他の真空化学装置

○真空薄膜形成装置
真空蒸着装置
スパッタリング装置
ドライエッチング・アッシング装置
真空酸化・窒化・ドーピング・アニール装置
CVD装置
エピタキシャル成長装置
複合装置・膜加工装置
その他の真空薄膜形成・加工装置

○排気装置
真空排気ポンプユニット
その他の排気装置

○分析・試験装置
表面分析装置
ガス分析装置
試験装置
その他の分析・試験装置

○その他の真空装置
液晶注入装置
真空包装装置
真空充填装置
エポキシ注入装置
真空吸着搬送装置
ビーム利用装置
その他の真空装置