背景2


真空とは全く空気のない状態をイメージされる方が多いかもしれませんが、JISにおける真空の定義は「大気圧より低い圧力の気体で満たされた空間内の状態」のことを指します。

この圧力の低い状態で起こる現象を利用して、吸引、吸着、成型、充填、置換、保存、乾燥、蒸留、濃縮、脱気、成膜、断熱、冷却・・・・といった操作を行うことができます。

私たち日本真空工業会では「真空産業」とは、「真空下の諸現象を利用した装置産業、これを構成するコンポーネント産業および付帯するサービス産業」と定義しています。

また、2002年3月に真空機器製造業が日本標準産業分類へ登録されることが告示され、主として真空装置、真空ポンプ、真空装置用部品、真空装置附属装置等を製造する事業を分類しており、真空装置には、真空冶金装置、真空化学装置、真空蒸着装置、スパッタリング装置、ドライエッチング装置、CVD装置、イオン注入装置などが含まれます。

これらの真空機器は、《真空産業の木》に示される様々な産業で活躍しています。
日常生活に関連した製品をみてみましょう。
眼鏡レンズ表面に緑や紫色の膜が付いています。これは明るく見やすくするためにレンズに膜を付けているためです。CDやDVDの銀や茶色の膜は情報読取りのレーザー光の反射膜です。液晶テレビやプラズマテレビの画面は幾重にも重ねた膜を加工して作られています。これらの膜は全て真空薄膜形成装置で作られます。
プラスチック製品の成型は真空成型機で作られます。医薬品やインスタント乾燥食品の製造には真空凍結乾燥装置、高原野菜の冷却輸送には急速真空冷却装置が使われます。ネオンサインや蛍光灯、魔法瓶といったものはガラスの内部が真空状態になっており、その中の放電現象や断熱作用を利用しています。

これらの製品を製造するために真空機器が欠かせないものとなっています。