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日本真空工業会会長 株式会社島津製作所 執行役員

日本真空工業会会長
株式会社島津製作所
     執行役員

この度、日本真空工業会第18代会長を仰せつかりました篠原でございます。日本の根幹を支える数多くの会員企業で構成される本工業会の会長にご推挙頂き幸甚の至りです。

私自身、工業化学科の出身で学生時代は真空技術とは無縁の有機合成に関わっていましたが、㈱島津製作所に入社し、1年目からサイクロトロンの開発に携わりました。振り返ってみれば、入社以来、間もなく還暦を迎える今日まで「真空」とは随分長いお付合いとなっております。事業においては「如何にリーズナブルなコストと手間で最高の真空環境を顧客に提供できるか」に傾注して参りましたが、業界の更なる発展のために、これまでの経験を少しでも生かせればと存じます。

日本を取り巻く経済環境の変化においては、急激に進んでいる円高が日本経済にダメージを与えようとしており、昨年までは比較的好調でも今年は減益に向かう企業が多いように聞いております。また、各事業領域に目を向ければ、スマートホン需要の減速が半導体業界にも影響を与えようとしている他、中国も景気減速感が鮮明に出ており、盛んに投資が行われているFPD業界も、グローバル需要を鑑みれば決して安心できない状況で、ここかしこにおいて経済の変動が生じています。

生物学者のダーウィンは「種の起源」の中で「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残るのは、環境の変動に対応して変化できる者である」という言葉を残しています。一般論としては、力の強い大会社、賢い人材が居る会社が生き残ると思われがちですが、必ずしもそうではないことは昨今の社会情勢からも読み取れます。

当工業会は他の工業会と比較して、規模の点では決して大きくありませんが、それだけに、小回りを効かせて時代の変動に対応していけるのではないでしょうか。「増強と拡大」はビジネスの命題ではありますが、より重要なことは「変化と適応」ではないでしょうか。当工業会は、従来からこの「変化と適応」を繰り返してきたおかげで、昨年無事30周年を迎えることができたと考えます。今後も皆様方の社業が発展しますよう、より一層「変化と適応」の実現に向けて支援させて頂く所存です。今回の理事会で選任されました理事・監事の皆様共々、一層のご指導、ご支援を頂きますようよろしくお願い申上げます。

(株式会社 島津製作所 執行役員   篠原 真 )